「別にアイツをかばうつもりはねーんだけど、園、槙を困らせたくてあんな事言ったんじゃないんだ。槙が香川を好きなのは皆知ってるし。だから今度会っても、アイツの事避けないでやってくれねーか?」
そう言う草笹先輩は本当に優しい表情を浮かべていて。
あぁ、本当にこの人は花峰先輩を理解している良き友人なんだな…とか思ってしまって。
―――…俺も律とこんな関係になりたかったな…とか考えて、俺の目頭がまた熱くなった。
「うわ…槙!ごめんな!?そんな無理にお願いするつもりはなかったんだ」
草笹先輩が俺を見て慌ててしまった。
何やってるんだ、自分。
他人に迷惑かけて。心配させて。だから嫌われるんじゃないか。
「…何でも、ないです…すみません…急に目にゴミが入っただけなので…俺、もう行きますね」
行く当てなんてない。
だけど、出来るだけ早くここから、草笹先輩の前から立ち去りたかった。
「行くってどこへ…っておい!槙!」
「花峰先輩の事はきちんと分かってますから!俺は大丈夫ですっ!」
そう、出来る限りの虚勢を張って叫びながら走って行った。全速力で走った。
なりふりかまわず走り続けた。
そして俺は走りながらある事を考えていた。
やっぱり、会長に会いに行こう。


