グズグズ言いながら歩いていると声をかけられた。
「あれ?槙じゃんか」
顔を上げるとそこには草笹先輩が居た。相変わらず眩しい笑顔だ。いつ見ても陰りがない。今の俺とは正反対だ。
「ん?泣いてるのか?」
「な、泣くわけないでしょ!コレは目から出る聖水なんだ!」
俺は慌てて聖水を腕の袖で拭く。別にさっきは塩水だったけど、人前では聖水になるからな。だから涙なんかじゃない。断じて。
「…人はそれを涙と言うんだけどな…ま、いっか」
そうして草笹先輩は俺の腕を引っ張り、学校の校舎裏にあるにあるベンチに座らされた。なんだかんだで学校まで来てしまった…
現在は8時くらいだから、授業はまだだ。登校してくる生徒がピークの時間だな。校舎裏だから登校してくる人に出くわすことはない。人目がないのでココは告白スポットでもある。…よく足を運んだものだ。
「で、その荷物はどうしたんだ?」
草笹先輩は俺の大荷物を指さしながら尋ねてきた。
俺はまたもや俯いて黙り込んでしまった。
だってなんて説明したら良いのかwからないじゃないか。
まさかいきなり人が良すぎる草笹先輩を巻き込んで迷惑なんて…いくら俺でも出来ないぞ。


