帰宅すると、俺は違う意味でしょんぼりしていた。
「…槙、どうした?」
律さんが俺の目の前のテーブルに晩御飯を並べながら尋ねてくる。今夜は鮭のソテーだそうだ。
「…どうしよ、律…」
「?」
「…せっかくの律のフラグ相手が…俺に告白まがいをしてきたんだ…」
「は?」
だってそーじゃん!!
「いずれは律とウフフアハハな花峰先輩が俺の事気に入ったって!!気に入ったって!!好きになっても良いか?だって!!コレ完璧フラグたっちゃうじゃん!!ありがちじゃん!!俺このパターン知ってるよ!!どうしよ…律の恋人ハーレム腐男子ウハウハ計画フラグの崩壊の危機だよ!?もうここはいっそ律が男の子同士の恋に目覚めて手っ取り早くおそ…ガフッ…」
律さん酷い。本気で落ち込んでるのに足で脳天ヒットさせなくても良いじゃないか。
「…つまりあの会計がお前に告白したのか?」
「まだ告白ではない!告白“もどき”だ!!」
「一緒だろ」
あぅ…


