「俺が皇の近くに居て、咲の近くに居るから…それで美化されて見えてるんだよ」
今回の生徒会メンバーは俺以外、中学からの付き合いなんだそうだ。
名前で呼び合ってるから仲良いと思って調べてみると、俺の期待に反した事実が浮かび上がったので知っている。
きっと花峰先輩が王子さまキャラなのに鈍感なのは、月帝会長の傍に居て感覚が麻痺しているからだ。
「そんな事ないですよ」
「…ありがとう。槙君は優しいね」
違う。そうじゃないのに。
「…花峰先輩は、もっと自信をもつべきです」
そりゃあ、会長を見てしまったら、知ってしまったら、そう考えてしまうのは仕方ないかもしれないけど、でも。
「花峰先輩は、十分に人を惹きつける魅力をもってますよ」
だってあんなにも華やいだ笑顔が出来る人なんだ。
あんなにも花峰先輩が傍に居るだけで輝かしいと感じるんだ。
魅力がなければ、そんな事あるわけない。


