「今槙君が悩んでるのは、律君が黙って咲と付き合ってると思ってるからなんでしょ?」
ギクリ…
「律君が忙しいのは誰かさんが律君の写真をばらまいたからなんだ」
ギクギク…
「…そのばらまいた誰かさんって捕まったら、どうなりますかね?」
「多分、殺されるんじゃない?物凄い形相だよ」
クスクスと笑いながら花峰先輩は答えてくれるけど、それって俺またもや生命の危機って事じゃね?
この年で俺は何回狭間を彷徨わなくちゃなんねーの?
俺の至福のために写真をばらまく事はいけない事ですか?いけないですか。そーですか。
「今は俺と楽しく食事しようよ。それ、とっても美味しそうなお弁当だし食べなきゃ勿体ないよ?」
……急にこの色鮮やかな弁当が毒薬入りなんじゃないか思ってしまう俺。
これからは、もう遅いけど気を付けよう。
ちょっとこの話の流れでは食べづらくなってしまったお弁当を暫く俺は凝視したのだった。


