「いえいえとんでもない!こんな愚息にあなた達みたいなしっかりしてそうな子が出来て嬉しいわ!」
そう、母親が本当に晴れやかな笑みで答えるので、会長たちはお邪魔しますと言いながら今回こそはピチッと1列で奥のリビングへと進む。するとそこにはやはり姉貴が居た。玄関からリビングまでは一直線だ。包丁で玄関を充分に狙える範囲だ。
「槙…じゃなくて…あ、え…?い、いらっしゃい!」
どうやら、俺のお友達大作戦は予想してなかったみたいでかなり姉貴は動揺している。
つーか姉貴。今片手で5本包丁持ってたよな?指の間と手のひらに持ってたよな?列の後ろからでもキラリと光る物が見えたぞおい。
「――――槙のお姉さんですか?」
さすが会長。よくぞスルーして話しかけてくれた!本当に連れてきて良かった!
「あ、はい。姉の都(ミヤコ)です」
愛想よくして取り繕ってるが、もう遅い。手遅れだ。つか可愛くない。
スカッ
―――左頬も切れた。
俺、前から思ってたけど姉貴ほど美人な人見た事ないな…


