新幹線ではそれなりに楽しく過ごし、現在家の前。
「…あの、お二方」
俺は律と会長に声をかける。
「ん?」
「あ?」
前にいる2人が一斉に振り向いてくれた。
「殺気をすでに感じるのは気のせいですか?」
まだ扉開けてないんだけど。インターホンも鳴らしてないんだけど。家に近づく度に背筋が凍っていく感覚に襲われるのは何故だろうか?
「気のせいだろ?」
と、会長は言う。じゃぁ、何アレか。コレは俺だけが感じ取れる殺気なのか。いや、俺だけに向けられている殺気なのか。…絶対家に姉貴居るよコレ。玄関で構えてるパターンだよコレ。気配ビンビン感じるもん。
「…あの、お二方先にいって下さい。お願いします」
「じゃあ、俺から入るな」
月帝会長、俺は今あなたが神に見えます。
会長はインターホンを鳴らし、律と俺はその後ろに並んでいた。俺は恐くて一番後ろに居た。


