「あ、槙。因みに葉達は実家に帰った」
――――俺のあの世逝きは確定してしまったみたいだ。もう一度俺は布団と言う名の甲羅にこもる。
「―――香川律、だよな?
槙の顔色が悪いんだが、どうしたんだ?」
「――――…実家に帰りたくないんだそうだ」
珍しく俺以外と律が長文会話をしている。別に自惚れとかじゃないけど、初めて聞いた。驚いた。でも、ガタガタは止まらない。
「槙、じゃあ俺の家に来るか?」
「絶対無理です…」
恐い恐い恐い恐い恐い…外に出たら、話しかけられる度、姉貴からの使者だと感じる。あぁ、どうしよう…
あ、そうだ。もう一つ可能性があった。


