「菜ノ香…あんた…」
「菜ノ香ちゃん…なんでこんなことっ…」
ゆみはあたしにそう問いかけ、泣いていた。
あたし、こんなことしてない!!
「あたし知らない!!」
「知らないで済むと思ってんの!?それなら警察なんていらねぇんだよ!!」
「だって本当に知らないもん!!」
『まじかー』『ないよねー』『泥棒』
色々な声が飛び交う。
なんでこんなことになってるの!?
本当にあたし、なにも知らないのに!!
なにもとっていないのに!!
なんで皆信じてくれないの…??
「保健室行って頭冷やせば??」
ルカが言う。
ルカは今りいやと仲がいい。
りいやの隣にはいつもルカがいる。
前のあたしみたいな存在だ。
「だからあたしはやってないってっ……!!」
「こんなことやっていいことなんてないでしょ!?わかんねーの!?頭ラリった!?」
「……」
「そっか…、…うん。病院いこう。精神科いこう。」
「……」
「…ったくお前は……だまってんじゃねぇよ!!ほら早くいけよ!!」
ルカはあたしの腕を掴んで、ドアの所まで連れて行き、私を強く押し、ドアの向こうへ突き飛ばした。
「ばいばーい」
パシャンときつくドアを閉めた。
もう…
「なんなの…。」
いつになったらこの地獄から解放されるの??
また屋上通いか…。
私の居場所は屋上しかない…。