「えーっと、次は…」


スーパーにきたオレはさっさと買い物をしていた。その時だった。


「あの、すいません。」


後ろから小さな声が聞こえてきた。


「えっ、あっ、はい!」


振り返ったオレは体中に電気が走った。


背は150センチもないほど小さく、幼い顔によく似合ったショートヘア、少し頬を赤く染めてうつむく少女だった。


「あの、上にあるお菓子、取ってくれませんか?」


「……」


「あの…すいません。」


その時オレは我にかえった。


「あ、すいません。これですか?」


オレは手に取ったお菓子を彼女に渡した。


「はい!これです!ありがとうございます!」


彼女は明るい笑顔でお礼を言った。


「いえいえ、どういたしまして。」


その笑顔に見とれている自分がいた。


完全に一目惚れだ。


「それじゃ、ありがとうございました。」


「あっ…」


彼女は笑顔で行ってしまった。

こういう時、自分の意気地の無さに悲しくなる。