「どうする?」
「……帰ろっか」
あたしたちは、郁の携帯電話にメールを送って、校舎を後にする。
正直、郁が羨ましい。
好きじゃない人だとしても、あそこまで想われて嫌な気はしないと思うから。
「ねぇ、佐奈は好きな人とかいないの?」
隣に並んで歩く彼女の顔を覗き込むようにして、質問する。
あたしと郁は好きな人の話で盛り上がったりするけれど、そういうとき彼女はいつも聞く側に回っていて、自分のことをあまり話さない。
モテるタイプだと思う。
顔もスタイルもバッチリで、モデルもしてるんだから、佐奈に憧れている男子もきっといるはず。
でも、彼氏はいないみたいだし、佐奈からそういう話を聞いたことがなかったから、少し気になった。



