洋介くんはバスケ部に所属しているスポーツマン。
あたしの好きな人の後輩なの。
だから、輪の中に入ってくる彼を、嫌だと感じたことはない。
逆に、色々と先輩のことを聞けちゃうから、こっちから話しかけることもしばしば。
朝香と洋介くんのやりとりを笑いながら、あたしは出したままのお弁当箱を鞄の中に直していく。
すると、突然、あたしの顔を囲むかのように、背後から腕が伸びてきて、それに気がついた瞬間、ドシッと肩が重たくなった。
「呼んだ?」
耳元近くで、囁く彼。
あたしは深くため息をついて、抱きついてくる彼から離れようとする。



