授業中、先生から配られたプリントを回すときも、ナナは冷たかった。
いつもなら、絶対に話しかけてくるくせに、振り返っても目さえ合わさない彼。
受け取ったプリントをすぐに後ろへ渡す態度が、すごく悲しくて胸が苦しくなる。
あたしって、最低だ。
身長を気にしている人に、「チビ」って言った。
それだけじゃない。
ナナはあたしを好きだと言ってくれている人なのに……。
「待って! 謝りたいの!」
その日の放課後、あたしは帰ろうとする彼を追いかけた。
階段を下りていたナナは、足を止めてこっちを見る。
「先に行ってて」と友達に言う彼は、いつもとは違う雰囲気で、距離を感じてしまう。



