「今からご飯?」
「はい! 先輩もですか?」
「ううん。もう食べ終わって、今から委員会なんだ」
ざわざわと周りが騒がしいから、あたしも先輩も少し声が大きくなる。
頑張ってください、と笑いかけるあたしに、先輩は柔らかく手を振りながら去っていった。
その後姿をずっと眺めていたあたしは、嫌な予感を抱きながら視線を移すと、案の定、隣にいたナナはしかめっ面で立っている。
いちご牛乳を手にしながら眉間にしわを寄せ、今にも先輩に噛み付きそうな表情。
先輩の目にもこの顔が映っていたのかと思ったら、ため息が出た。
「フンッ、なんだよ。嬉しそうな顔しちゃってさ。俺といても、そんな顔しないくせに」
すねたナナは、袋とじになったストローを取り出しながら、屋上へと歩き出す。
呆れながら後をついていくあたしは、階段を上りながら、沈んだ表情を浮かべていた。



