カラフル


洋介くんと肩を並べて歩く先輩を眺め、手を振りながらうっとりするあたし。

横顔も爽やかだなぁ、としみじみ思ってしまう。

「そんなにかっこよくねぇな、あいつ」

いつの間にか隣にいたナナは、勝ち誇った表情で囁いてくる。

「ナナ、先輩のこと睨まないでよ」

「睨んでねぇよ。普通にイカクしただけ」

「それが睨んでるって言うの」

片手を腰に置いて、飄々とした態度のナナを叱る。

だけど、ナナは全く自分を悪いと思っていなくて。

「だって、なんかむかつくじゃん。・・・ちょっと背が高いからってさ。絶対、あいつ、俺のことを低いって思ってた」

反省するどころか、身長が低いことを気にしてすね始めた。

先輩を見たのはさっきが初めてだと思うんだけど、あたしの片思いの相手だという理由で、ナナは先輩のことを毛嫌いしている。