夏祭りを楽しむカップルを演じる、あたしたち。 浴衣姿の矢野ユウキにドキドキしてしまう自分がいて、複雑な気持ちになった。 だけど、また同じ失敗はしたくないから、カメラがこっちに向いている間は、気を張って頑張った。 「お疲れ様でした」 そう言って、帰っていく矢野ユウキ。 慌てて挨拶を返したけど、声が届いていたかはわからない。 見えなくなるまで、あたしは彼の後ろ姿をじっと眺めていた。