「じゃあ、ごみ捨てに行ってくるね」
掃除当番のあたしは、ゴミ箱を抱えて、待ってくれている朝香と佐奈に声をかける。
「俺もついていく」
同じ班のナナは、持っていたモップを他の子に渡して、後を追ってきた。
「一緒に帰ろうって約束、忘れてないよね?」
「忘れてないよ。カレーパンをおごってくれるっていう約束は」
取っ手の片方を持ってくれるナナと、一緒に焼却炉へ向かう。
2人で持ってるんだから、1人の時よりゴミ箱が軽く感じるのは当たり前なんだけど、重さが半分以上、減った気がしてしまう。
それは、ナナが男の子だからなのかな?
「郁はほんと、食べる事が好きだよなぁ」
そう言いながら、ナナはゴミ箱を前後に振って、ご機嫌の様子。
うん、と頷きながら、あたしはその姿を横目で見ていた。



