あたしと付き合っているのかと聞かれた彼氏は、迷わず「うん」と答えていた。 付き合っていることを大っぴらにはしていなかったけれど、返事を濁さずに認めてくれたことが嬉しかった。 教室に入るタイミングを逃してしまったあたしは、2人の話題が自分のことからはなれるまで待とうと、静かに廊下で立ち尽くす。 そのときだ。 「なんで野島なの? お前、他に好きな女いたじゃん。電話やデートもしてたんだろ?」 隣のクラスの男子は、彼氏にそう問いかけていく。