「まさか本当に送るなんてね」
「自薦でしょ? 自分のことを可愛いと思ってんじゃない?」
「調子に乗りすぎ」
その会話は、学校の女子トイレで囁かれていた。
トイレの中に入っていたあたしは、水道付近で話す彼女たちの本音にショックを受け、チャイムが鳴るまで外に出れなかった。
話していたのは、同じクラスの仲が良い女の子たち。
親友とも思っていた相手だった。
「絶対、佐奈ならモデルになれるよ。応募してみたら?」と言ってきたのは、その子たち。
だから、選ばれたときも、あたしは親よりも先に、その子たちへ報告をした。
「マジで? すごいじゃん」
そう言って喜んでくれたはずなのに、あたしのいないところでその子たちは影口を叩いている。
人が信じられなくなった。



