*響夜歌*
RURURU...
「んーもうちょっとぉ」
「もうちょっとじゃないよ!早く起きて!」
電話口から私を怒鳴る声。
「響夜歌、今日委員会でしょ?なんでのんびり寝てんの!?早く起きて準備しなさい!」
わかったよー。と言っても止まることを知らない怒鳴り声。
響夜歌はホントに毎回毎回…。私が居ないと起きれないわけ?そんなんだから、おばさんに心配されるんでしょ?将来どうするの?
だんだん話が大きくなってきた…。
毎回すぎて慣れては来るけど、さすがに勘弁してほしい。
「わかったよ、わかったから。起きたから綺輝もう切るよ?また学校でねー」
はぁーと、ため息をつく。
「ため息つかない!!学校で昨日のこと教えるからね」
ばいばい。と言って電話を切る。
そうだ。今日あの人のことがわかるんだ。
楽しみだけど、どこか不安が隠せない。
「ふー気合い入れていきますか!」
自分自身に喝を入れ、家を出る。
カツカツカツと、ローファーの音が静かな住宅街に響く。
徒歩10分の距離。
普段なら綺輝と歩くこの道を1人で歩くと寂しく感じる。
「坂倉さん、おはよう」
聞きなれた声が後ろからする。
