泣き虫総長と5ヶ月恋愛


*響夜歌*

RURURU...


「んーもうちょっとぉ」

「もうちょっとじゃないよ!早く起きて!」

電話口から私を怒鳴る声。

「響夜歌、今日委員会でしょ?なんでのんびり寝てんの!?早く起きて準備しなさい!」

わかったよー。と言っても止まることを知らない怒鳴り声。

響夜歌はホントに毎回毎回…。私が居ないと起きれないわけ?そんなんだから、おばさんに心配されるんでしょ?将来どうするの?

だんだん話が大きくなってきた…。

毎回すぎて慣れては来るけど、さすがに勘弁してほしい。

「わかったよ、わかったから。起きたから綺輝もう切るよ?また学校でねー」

はぁーと、ため息をつく。

「ため息つかない!!学校で昨日のこと教えるからね」

ばいばい。と言って電話を切る。

そうだ。今日あの人のことがわかるんだ。
楽しみだけど、どこか不安が隠せない。

「ふー気合い入れていきますか!」

自分自身に喝を入れ、家を出る。

カツカツカツと、ローファーの音が静かな住宅街に響く。

徒歩10分の距離。

普段なら綺輝と歩くこの道を1人で歩くと寂しく感じる。

「坂倉さん、おはよう」

聞きなれた声が後ろからする。