「朔のせいで他の奴ら帰れねぇな」
勇翔がこっそり耳打ちする。
「…だな。おい!朔なんかほっといてお前ら帰れ。走ったから疲れただろ?よく休め。んでテストに備えろ」
「うお!テスト忘れとった」
勉強しなぁー!!と、走り去る朔にメンバー一同ホッとしていた。
テストは、俺らの現役人生がかかっている。
なぜなら、輝夜蘭のメンバーは赤点禁止だから。
初代は、3年間学年トップだった。
この代もトップは幹部で埋まっている。
先代から聞く上では、
輝夜蘭が、族のトップであるならば、全てのトップに君臨するべきだ。
と言うことらしい。
それを代々守り続けている。
初代は、弁護士をされていて
その他の先代方も、色々な面でご活躍されているらしい。
強い憧れを抱き輝夜蘭に入るやつも居る。
だが、憧れだけではやっていけないチームなために、人数が多いわけではない。
作戦を練りに練る頭脳チームだから、人が居なくても強いチームになっていったんだ。
そんなチームを引っ張れる俺ら幹部は、心底幸せ者だと思う。
「司輝人。お前もそろそろ帰れよ」
勇翔に促され俺は夜が白み始めた空の下、1人バイクに跨がり家へと帰った。
