泣き虫総長と5ヶ月恋愛


何を言わしてもハモる。

意見が常に揃うんだ。

だからなのか、これまで一度も喧嘩を見たことがない。

「若屋兄弟の挨拶が終わったところで、幹部補佐、黒崎時雨です」

よろしく。と言う時雨の足はガクガクで。
まぁ仕方ないよな。

幹部の中で唯一の高1。

周りは高2で、その中にたった1人高1で緊張しないわけがない。

時雨は、チーム唯一の黒髪でよく

「なんで、輝夜蘭に入ってるのに染めないんすか?」

って中学生から迫られてる。

「そうだなー。輝夜蘭に入ったら染めなきゃいけないって、ルールはないんだ。だからかな。あぁあと、俺の似合う髪色が黒だからだよ」

ほら。と言って時雨が金髪にした写真を見せる。

「時雨さんは黒髪がいいです!!」

と、言われては「ありがとう」と返している。

時雨は確かに黒髪じゃないとダメだ。

輝夜蘭のメンバーは、金髪が少ないことでも有名で、数えるほどしか居ない。

幹部でも、朔以外はみんな茶髪。

一番の強さを誇るくせに、一番いかつさが足りないチームは、輝夜蘭だけなんだとか。

一通り自己紹介も終わり、朔のお喋りタイムとなった。