泣き虫総長と5ヶ月恋愛



「司輝人」

と挨拶を促す。

「改めて、今日から輝夜蘭7代目総長になった篠宮司輝人だ。俺を信じて着いてこい!!」

「「おぉ~~」」

と、怒号に似た声が上がる。

「次は俺だな?」

と、小さく呟き立ち上がった勇翔が俺の隣に並ぶ。

「副長、馬場勇翔。よろしく頼むな」

静かに挨拶する勇翔は、さっき俺を嘲笑った奴とは違う。

コイツは俺の前では、素を見せる。

俺の幼なじみである勇翔は、正直人をバカにする。

輝夜蘭の副長である勇翔は、冷静沈着。

いわゆる『クール』だ。

俺を含め幹部の前での勇翔と、輝夜蘭の副長の勇翔とは全く別人で、輝夜蘭のメンバーは、副長の勇翔しか知らねぇんだよな。
おもしれぇ。

「おーい。みんな聞けー。情報参謀・副長補佐、蓮嶋朔だー。よろしくなぁ」

間延びした挨拶を大声で言ったために、メンバー全員が、びっくりしてる。

こいつは…いつでも元気だよな。

「あぁ。あの…よ。特攻隊隊長、若屋未司哉です。えぇ、よろしく」

「あぁ。あの…よ。親衛隊隊長、若屋時司哉です。えぇ、よろしく」

「「ブッ!!」」

一斉に吹き出す幹部とメンバー。

この双子は、全く一緒だ。