「司輝人」
と挨拶を促す。
「改めて、今日から輝夜蘭7代目総長になった篠宮司輝人だ。俺を信じて着いてこい!!」
「「おぉ~~」」
と、怒号に似た声が上がる。
「次は俺だな?」
と、小さく呟き立ち上がった勇翔が俺の隣に並ぶ。
「副長、馬場勇翔。よろしく頼むな」
静かに挨拶する勇翔は、さっき俺を嘲笑った奴とは違う。
コイツは俺の前では、素を見せる。
俺の幼なじみである勇翔は、正直人をバカにする。
輝夜蘭の副長である勇翔は、冷静沈着。
いわゆる『クール』だ。
俺を含め幹部の前での勇翔と、輝夜蘭の副長の勇翔とは全く別人で、輝夜蘭のメンバーは、副長の勇翔しか知らねぇんだよな。
おもしれぇ。
「おーい。みんな聞けー。情報参謀・副長補佐、蓮嶋朔だー。よろしくなぁ」
間延びした挨拶を大声で言ったために、メンバー全員が、びっくりしてる。
こいつは…いつでも元気だよな。
「あぁ。あの…よ。特攻隊隊長、若屋未司哉です。えぇ、よろしく」
「あぁ。あの…よ。親衛隊隊長、若屋時司哉です。えぇ、よろしく」
「「ブッ!!」」
一斉に吹き出す幹部とメンバー。
この双子は、全く一緒だ。
