始めの一歩。





『後悔するくらいなら、声かければ良かったかなぁ……?』



そんな風に考えた瞬間



「……ねぇ」



話しかけられた。


誰に?彼に。



………………………え?



「えっ、あ……なに?」



考えてもいなかった事態に、頭が混乱状態。


返事をするのもいっぱいいっぱいで、思わず口をぽかん…と開けて彼を見る。


……そんな私の様子を一切気にせず、口を開いた彼。



「あのさ。……迷城塾、通ってるよね?」


「……へ?」



突拍子のないその問いに、私は思わず目を丸くした。