あたしの好きな人は…



「普通だろ。」

『頑張ってとかないのぉ?!』


こういうところが不器用なの。
先生は。
言ってほしいこと言ってくれないし。
女子がキュンとすることもしてくれない。

もしかしたらそこがいいのかな?

先生は女子にすっごく人気だから。


「頑張って?の前に放課後来いよ。じゃぁ」

すぐにどっか行っちゃう。

まだ話してたいのに。
そんな背中をいつもあたしは見てる。

先生。
好きだよ・・・


あたしの心の声が届いたかのように。
先生は1度振り替えって微笑みながらどこかへ行ってしまった。


「音羽見とれすぎ…」

意識を完全に新太先生にむけていたあたし。

小春が話しかけなかったら今頃、妄想の世界に行ってたんだろうなぁ。

『だってかっこいいじゃん♪』


あたしが新太先生に本気で恋してることを知ってるのは小春だけ。

そのかわり、


「あたしは、京太先生派だなぁー」

小春が、

ミナセ キョウタ
水瀬京太先生に恋してること知ってるのは、
あたしだけ。

京太先生は、新太先生と一緒に入ってきた若い新入り先生。
新太先生と仲良し。

女の子が言われて嬉しいこととかも言ってくれるし、明るくて笑顔がかわいい先生。
らしい・・・


あたしは新太先生だけど。