『せんせぇ』
「ん?」
真っ直ぐ前を見て片手でハンドルを握る先生。
今日もあたしが好きな黒ぶちメガネをかけて目を細めてる。
こうして先生の隣にいれてあたしは、すっごく幸せなの。
『先生は彼女いるのー?』
この車内がやけに静かに感じる。
ただ、車の走っている音が聞こえるだけ。
「いないよ」
いつも通りの表情と、口調で答える先生にあたしは安心した気持ちでいっぱいだ。
こんなにカッコいいのに彼女がいないなんてありえないくらいで信用しがたいけど、嬉しいには、ちがいない。
そこから、あたしはずっと先生の横顔を見つめてた。
繊細できれいな肌。
横からみたら、よりくっきりした目。
あたしは先生の全てが好きすぎる。

