「授業に集中しろよ?」
『してるよぉーだっ!』
あたしの表情をみて少し微笑んだ先生。
また、黒板にむかって文字を書いている。
後ろ姿だけでもいいの。
先生は何をしててもかっこいいの。
だから、見てるだけで満足なの。
「音羽ぁあ!ノート書きなよ!」
となりから小声で注意しているのはあたしの心友。
ササキ コハル
佐々木 小春。
小春はしっかりものであたしとは正反対の女の子。
『はーぃ。』
理科のノートは1番頑張って書いてるの。
ノート提出のときに、先生に褒められたいから。
先生が話すくだらない話さえ書いてるんだもん。
毎回評価はAだよ。
そのたび先生はあたしだけに笑顔むけてくれるから。

