「仕方ない…乗っていいよ」
『ぇ…?』
聞き間違いだよね。
新太先生が、そんなこと。
「風邪引くよ。はやく乗って」
嘘…。
信じられない。
でも、先生はわざわざドアを開けてくれた。
『失礼しまぁす。』
車のなか…
やっぱり綺麗…。
イメージと、違って
かかっている音楽はバラード。
先生って、バラード聞くんだ。
横顔もかっこいい。
まだ、帰りたくない。
先生と一緒にいたい。
「どしたの?」
先生を、じっと見つめるあたしに気付いたのか先生は少し驚いた口調で言った。
『先生…あたし、帰りたくない。』
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