海賊王子ヒースコート




 裂けたドレスを気にしながらゆっくりと階段を下りる。

縄をヒースコートに切ってもらったので自由にはなったが、ドレスははだけるし揺れは激しいしで歩くのが非常に困難だ。


「あっ…!」

「危ない!」

階段から転び落ちそうになるところを、ヒースコートに抱き留めてもらう。


「気をつけて。すぐに慣れるだろうが…不安なら手を繋ぐが?」


どうする?と視線で問うてくる彼に、アイリーンは迷った。


(掴まりたいけれど…)


海賊に気を許してはいけない。

自分がしっかり歩けばいい話。


「へ、平気です…」