「悪く思うなよ、お嬢さん」
いかにも悪役じみたセリフを吐いたのはブラックエンジェル号の船長ダリウスだ。
ちなみに彼は現在年齢二十八歳。
三十代に片足を突っ込みかけているギリギリ二十代なヴィンセント提督よりも一つ年下だ。
「や、やめて下さい!!ほどいて…!」
そんな彼が今やっていることは、なんとも下劣なことだった。
アイリーンの身体を縄でぐるぐる巻きに縛り上げ、甲板に転がした彼は、冷徹な瞳を彼女に向けた。
「恨むならテメーの婚約者を恨め」
「なっ…きゃあ!?」
ダリウスはアイリーンにのしかかると、美しいドレスの裾にナイフを入れ、上に向かって勢いよく切り裂いた。



