「げっ…」 レイバンは顔を青くしながらフルスピードで逃げ出した。 「あ!お待ちになって!レイバン!!」 小走りに窓へと駆け寄るが、すでにレイバンの背中は小さい。 「アイリーン嬢っ!」 ギルバートもやって来て、窓から外の夕闇へ叫んだ。 「アイリーン嬢!!」 婚約者の名前を何度も繰り返しながら窓から飛び出し、ギルバートは海軍の敵を追いかけた。