海賊王子ヒースコート


急にギルバートの顔が近づいてきた。

「ギっ…ん!?」

塞がれた唇。

たっぷり三秒キスをしてからギルバートはアイリーンの耳元で低く囁いた。

「身は引きません」

「え………な、ぜ…」

「私は“彼らが無罪放免になったら身を引く”と言ったはずです。残念ながら彼らは無罪放免ではありませんから」

意地悪く微笑むギルバート。

「処刑にならなかったので婚約は解消しますが、貴女を諦めるつもりはありません。ゼロから貴女に挑みますので、お覚悟を」

とんでもない宣言をされアイリーンの心臓がうるさく鳴る。


(ど、どうすれば良いのでしょう…!!)


諦めてくれるどころか、彼を本気にさせてしまったようだ。

何か言い返そうとアイリーンが言葉を探していた時だった。


「アイリーン!」

心配して様子を見に来たヒースコートと目が合った。