海賊王子ヒースコート


どうやら彼らも知り合いだったようだ。

驚いているアイリーンに気づき、ランバートは自分から正体を暴露した。

「私は本来、ヒースコート様の執事兼護衛役なんです。主が海賊になるということで、私も一緒に船に乗りました」

「ヒース一人じゃ心配で私が頼んだんだよ。ランバートはお目付け役にピッタリだから」

アーロンは信頼のおける使用人、ランバートの肩にポンと手を置いた。

「今回も頼んだよ」

「はい」

軽く頭を下げて微笑んでみせる。

ランバートは自信に満ちた眼差しで王と向き合った。


「そろそろ出航よ!」


出し抜けに響いた声はヴィンセントのものだった。

今までこもっていた会議室から部下のギルバートと共に甲板へ出て来る。


「ギルバート様…」


蚊の鳴くようなアイリーンの声にもギルバートは瞬時に反応した。