海賊王子ヒースコート


「ヒースさん…」

不意に控えめな呼びかけが聞こえた。

振り向けばそこには…。

「アイリーン…」

浮かない表情でこちらを見つめる愛しい恋人の姿。

「よくここがわかったな」

「一度、レイバンさんと一緒に来ましたから」

ガルニカの港から離れた場所に停泊中のブラックエンジェル号。

もう一度ヒースコートに会うため、アイリーンは一人でやって来たのだ。

「今日、行ってしまわれるのですね」

「ああ…」

「いつ、お帰りに…?」

「わからない…」

予想していた答えにアイリーンは苦笑した。

そして、用意していた言葉を躊躇いに躊躇ってから口にする。


「私も………一緒に行きたいです」