海賊王子ヒースコート


ギルバートは会議での内容を思い出し、静かに口を開いた。

「早急に調査が必要なのは、セルーデン島の近海で近頃目撃されているアーチェン・ドルニカの船に対してです」

「それはおかしいね。我が国はアーチェン・ドルニカとは貿易を行っていないはずなんだけどな」

国王陛下であるアーロンが言うから本当なのだろう。

アーチェン・ドルニカ帝国はセルディスタよりも西南にある島国で、鎖国を行っていることで有名な帝国だ。

ゆえに交流はないはずなのだが、最近「セルーデン島付近でアーチェン・ドルニカの国旗を掲げた船を見た」という情報が多数寄せられている。

「決まりね。クレマン海賊団には私拿捕船(シダホセン)になってもらうわ」

「シダホセンて……なんだ?」

首を傾げるレイバンやロディにランバートが溜息をついた。

「おおっぴらに敵国の船を攻撃してもいいと、国のお偉いさんから許可をもらった船のことです」