「アーロンが……王様…!?えっおい、ちょっと待てよ!今さっきテメー、ヒースコートのこと息子とか言って…!」
「……すまない、船長。俺のフルネームはヒースコート・エルヴィス・サリンジャーだ」
セルディスタにおいて、名前にミドルネームを持てるのは王族のみと決まっている。
ミドルネームはもっぱら王名、もしくは公式の場でのみ使用されるため、日常生活では使われない。
ゆえにアーロンもヒースコートもミドルネームを告げずにいたのだった。
「王様の息子が海賊!?どうなってんのよ!?」
「あはは、理由を話すと長くなってしまうよ」
頭を抱えるヴィンセントに軽く笑ってみせるアーロン。
未だざわついている法廷内に気づき、ヴィンセントは己の仕事を思い出した。



