海賊王子ヒースコート


「ダリウス・スミス。クレマン海賊団の現船長。過去に処刑されたタイタス・スミスの息子。タイタス同様、我がセルディスタの海軍を襲い、多大な被害をもたらしています」

報告用にまとめた資料をたんたんと読みながら、ギルバートは鋭い眼差しでダリウス達を睨みつけた。

「壊された戦艦の被害総額は約二億レーエ」

傍聴席がざわめいた。

二億レーエは金貨二億枚ということだ。

セルディスタの金持ちでも支払うのに苦労する額である。

「そして、クレマン海賊団による海軍への襲撃により死亡した海兵の数、およそ四百人」

「へっ、テメーらが弱っちいからそんなデケー数字になっちまうんだろ?」

ダリウスがわざとらしくギルバートを挑発する。

「ちょっと!!発言に気をつけなさいよ!?」

静かに怒りを抑える大佐に代わり、ヴィンセントが吠えた。