法廷の席は会議席のように、それぞれが中央を向いている。
海賊が座る席は追及者の席と向かい合い、判決を下す裁判官の席からは嘆願者達の顔を真正面に見ることができる。
ゆえにアイリーンは、真正面の裁判官席に自分の兄が座るのを何気なく視界にとらえ、ハッと息を呑んだ。
「お兄様が裁判官!?」
「軍人が裁くのかよ!えげつねぇな!マジ不利じゃん!」
隣で悪態をつくレイバンに内心同意しながら、アイリーンは左側の席に腰かけたヒースコート達を見つめた。
(ヒースさん、ダリウスさん…)
心での呼びかけが伝わったのか、ヒースコートが目だけ動かしアイリーンの方を見る。
(ヒースさん!)
不安げに見返すと、彼は安心させるような微笑をくれた。



