海賊王子ヒースコート



 一週間とは長いようで短いもの。

アイリーン達にとってもそれは同じだった。

とうとう今日の午前九時からヒースコート達の裁判が始まる。

嘆願の準備はもちろんバッチリ……かと思いきや。


「なんで誰も来ねぇんだよ!!」


レイバンが宿の一室で地団駄を踏んだ。

そう――嘆願書を集めて戻って来たらこの宿に集合と約束していたのに、クレマン海賊団のメンバーは未だレイバンのみ。

「後三十分で始まってしまいます…!」

ハラハラしながらアイリーンが壁の時計を見つめる。

「仕方ないから、先に法廷へ行ってよう。我々だけでも嘆願を行わないと、即処刑になりかねない」

危機迫る表情のアーロンに促され、四人は外へ出た。

向かうは海軍本部内にある裁判所。

まだ時間まで余裕はあるが、彼らの足取りは自然と速くなっていた。