「ヒースさんが……国王…?」
「ん?不思議かな?彼は長男だから王位継承権第一位なんだよ。まあ、ファビウスが兄だったとしても、継承権第一位はヒースになっていたかもしれないけどね」
「なぜですか…?」
「ほらだって、ファビウスは愛嬌あるけど性格真っ直ぐだから、王には向いてないんだよ」
まだ首を傾げているアイリーンに、現国王は声を潜めて説明した。
「いいかい?一国の王ってのは、臣下の心の裏の裏を読めないとやっていけない職業なんだよ。騙されやすいファビウスには無理だ。その点、ヒースコートは勘がいいからね」
それからもアイリーンはファビウスが戻って来るまでアーロンと二人きりで話していたが、その後の内容はろくに耳に入っていなかった。
(よく考えたら、ヒースさんのお嫁さんになるということは……王妃になるということですか!?)
ヒースコートのことは好きだが、王妃となると荷が重い。
突き付けられた現実を前に、アイリーンは頭を抱えたのだった。



