海賊王子ヒースコート


静かに語るアーロン。

「クオーツ島で出会ったアイリーンという女の子に惚れたって聞かされてたからね。いつか迎えに行く約束までしたらしいし」

彼は悲しげに眉根を寄せた。

「すまなかったね。私がヒースに海賊業やって来いなんて言ったから、なかなか迎えに行けなかったんじゃないかな」

「確かに、かなり待ちましたが…また出会えましたから」

アイリーンの見せる微笑がアーロンの心を軽くした。

「そう言ってくれるとは…。ありがたいね」

「ですが、なぜヒースさんに海賊になれとおっしゃったのですか?」

「ああ、それは…世界を見て欲しかったからだよ」



――世界を見るために



ヒースコートも同じことを言っていた。


「海賊は色々な土地に行き、色々な人々と触れ合う。将来ヒースコートが国王になった時、それらの経験や交流が役に立つだろうからね」