「僕も一緒に行くからね、父上!置いてかないでよ?」
そう念を押すとファビウスは着替えてくると言って部屋から出て行った。
広々とした応接間に残ったのはアイリーンと国王陛下、否アーロンのみ。
アーロンはアイリーンの背中をそっと押してソファーを勧めると、自分も隣に座った。
「お嬢さん。無躾かもしれないけど、お名前を聞いてもいいかな?」
「はい。アイリーン・ミルフォードです」
素直に名乗れば、彼は大きく目を見開いた。
「アイリーン!!もしかして君が!?」
「え?」
なぜかアーロンのテンションが高くなる。
「ねえ、君さ。ヒースコートに告白されなかった?」
「え!?あのっ…」
「プロポーズとかまだ?ヒースは意外と奥手というか、照れ屋で恥ずかしがり屋さんだからね。まだなのかな~?ああ、でも早く孫の顔が見たい!」
早口でまくし立てた後、アーロンはアイリーンの手をガシッと握り締めた。
そして、超がつくほど真面目な顔で懇願する。
「アイリーン嬢。是非とも、うちのヒースをもらって頂きたい」



