海賊王子ヒースコート


「ファビウス!!」

入って来たのはファビウスと顔立ちが似ている金髪の男性だった。

「父上!」

父上と呼ばれたその男性こそ、このセルディスタ王国の現国王陛下――オースティン王である。

「ファビウ~ス!!」

国王陛下はやって来るなり自分の息子に飛びついた。

「会いたかった会いたかった~!!ファ~ビ~ウ~ス~!!」

ギューッと抱きしめて頬擦り。

ファビウスは文句も言わずにされるがままだ。


(この光景…確か、前にも見たような…?)


アイリーンは初めてファビウスと出会った酒場でのことを思い出した。

確かあの時はファビウスが兄のヒースコートに飛びついていた。

血筋だろうか。

「ファビウス!無断でどこに行っていたんだい?君はヒースコートと違って世間擦れしてないんだから、勝手に遠出をしたら心配するだろう!?」