海賊王子ヒースコート


「ほら、着いたぜ」

レイバンがファビウスを馬車から蹴り落とす。

「うわぁあ!!お、お前!この僕に向かって足蹴りだと!?」

「はい、お嬢さん。お手をどうぞ」

「あ、ありがとうございます」

喚くファビウスを無視してレイバンは馬車から降りるアイリーンの手を取った。

「足元に注意!」と言いながら支えになってくれる。

普段荒っぽい態度をしているが、こういうところは妙に紳士だ。


「で?どうすんだ?」

三人で巨大な門を見上げながら、レイバンが聞いた。

「ふふん!任せろ。こうするんだっ」

ファビウスが門の脇にあるインターホンをポチッと押した。

「は!?インターホンあんのか!?」

「王宮と言えどお家ですから……あってもおかしくないのではないでしょうか…?」

手頃な位置にあったインターホンの存在に多少驚きつつ、成り行きを見守るレイバンとアイリーン。