海賊王子ヒースコート


「そりゃテメー。大袈裟じゃねぇか?」

「大袈裟なものか!おい、御者!馬車を王宮へ走らせろ」

ファビウスは進行方向にある小窓から御者の背中に呼びかけた。

「へーい」という、のんびりとした返事が返ってくる。

「おい!王宮に何の用だよ!これから師匠ん家に行くんだぜ!?」

「兄上を助けるためだ。お前達は黙ってついて来い」

ヒースコートを助けるためと聞いて、レイバンはグッと口をつぐんだ。

単なるお坊ちゃまの奇行でないなら、彼の言う通りにした方が無難だろう。

まだ時間に余裕はあるのだ。

レイバンは自分を納得させ、ファビウスに従うことにした。



 そして数分後。

馬車は王宮の門前で停止した。