海賊王子ヒースコート



「……提督」


ゆったりとした足取りで近づいてきたのは…。

「お戻り下さい。これから会議が始まります」

海軍大佐ギルバートだった。

「あらヤダ。もうそんな時間!?」

慌てて廊下を歩き出すヴィンセント。

ギルバートもすぐ後に続くかと思いきや、彼は一瞬だけヒースコートを横目に見つめた。

鋭い眼差しと視線が絡み合い、少々気圧されるヒースコート。

しかし、自分から視線をそらしはしなかった。


「ふっ…」


小さく笑うと、ギルバートは今度こそ檻に背を向けた。



(宣戦布告、といったところか…)


冷や汗をかきつつも、ヒースコートは不敵に笑ってみせた。