海賊王子ヒースコート


「船長!笑顔です、笑顔」と囁いてからヒースコートは顔に作り笑いを浮かべた。

「何かご用でしょうか?」

綺麗に微笑むヒースコート。

しかしヴィンセントには彼の笑顔など、どうでも良かった。

「アイリーンをどうしたの!?」

「は…?」

「いないのよ!アイリーンが!またあんた達の仲間がさらったんじゃないでしょうね!?」

アイリーンなら今頃、ランバート達と合流しているはずだ。

いないということは、上手く落ち合えたということ。

ヒースコートは内心ホッとした。

「何か知ってるなら吐きなさ~い!」

「嫌ですね、提督。俺達はずっと檻の中にいたんですよ?何か知ってるわけないでしょう」

「あんたね、もしも私の可愛いアイリーンに何かあったらただじゃ…」

その時、喚き立てるヴィンセントの背後にもう一つ影が現れた。