さて、その日のうちに旅仕度を終え、早速ガルニカの広場から馬車に乗り込んだ三人。
「もう夕方だから、トゥドゥールに着くのは明日の早朝だな」
ガタゴトと馬車に揺られつつ、レイバンが誰にともなく喋ると、ファビウスが苦々しげに言った。
「くそっ!なんでこの僕が馬車なんかでチンタラ行かなきゃならないんだ!自動車はないのか!自動車は!」
「あのさ坊ちゃん。庶民は自動車なんて持ってないんだよ。わかる?」
レイバンの言う通り、セルディスタでは陸路の主な交通手段は馬車だ。
自動車はあるにはあるが、まだ庶民には普及しておらず、金持ちや貴族の間だけの持ち物とされている。
ゆえに、その辺で拾って乗り込んだタクシーだって馬車なのだ。
「チッ!自動車なら夜には着くというのに!」



