「お兄様、何かご用でしょうか?」 綺麗に巻かれた金髪が特徴の兄、ヴィンセントに微笑みかける。 「アイリーン、何でそんなに嬉しそうなの?もっと落ち込んでるかと思って、お兄様が慰めに来てあげたのに」 妹の部屋に、ヴィンセントがノックなしでズカズカと入って来るのはいつものこと。 窓辺の椅子に座っていたアイリーンは、白い軍服を優雅に着こなした容姿端麗で背の高い兄を見上げた。 「お兄様、私は落ち込んでなどいませんよ」 「まっ!今日はアイリーンの婚約式なのよ!?本当にいいの!?あんな男で!」