海賊王子ヒースコート



 あれは、二年前。

蒸し暑い夏の時期だった。

「アッツイ!!いや~、もうホント勘弁して欲しいですよね。この夏服」

この日、ギルバートは口やかましい部下のリチャード少佐と一緒にクオーツ島のメインストリートを歩いていた。

「なんで海軍の制服は夏用も長袖なのかな~?ペラペラだけどさ、肌に張り付く感覚がスッゴイ気持ち悪いんだけど」

「昔から海軍の軍服はこれだ。伝統に文句を言うな」

「え~!伝統にも良し悪しってのがっ、ぶへ!?」

「ミギャア~!!」

喋っていた少佐の顔面を目掛けて突然、猫がジャンプしてきた。

猫はリチャードの鼻を蹴って頭に飛び乗ると、そのまま勢いよく駆けて行く。

「猫か」

「は、鼻が…」

ダメージをくらった鼻を押さえるリチャード。

そんな憐れな部下を無視して歩き出そうとした時…。


「すみません!!その子を捕まえて下さい!!」